B for Britain, not a Great one

B for Britain
電話でスペルを確認するとき、BはBritainのB、と言います。
このBritainっていうのがどこからどこまでなのか、
United Kingdom=Scotland+Wales+England+Northern Irelandで
Great Britainは北アイルランドを引いたものって定義はわかっていますが
じゃあGreatつかないBritain、境界のニュアンスはどこらへんまでか、
昔のお年寄りは植民地も丸ごとUnited Kingdomと思ってたのか、
こればっかりは外国人にはつかめません。訊くにもセンシティブな問題過ぎます。
自分の国でもヴァガボンドで確たる故郷が無い私より、自分の県の県庁所在地方面と、自分のホームタウンは違う藩の管轄下で、後者は譜代大名が治めてたから格が上だと主張する相方なら判るんじゃないかと思いましたが、やっぱり判らないそうです。
(でもそれって単に他所から来た官僚の管理下にあったってことなんじゃ…←譜代)


まあそんな難しいことより、私にとっちゃBritainといえば三回呼ばわるあの番組です。




Britain! Britain! Britain!
Little BritainというのがGreat Britainのもじりだと気づくのにも半年かかりましたが。
かなり強烈かつお下品なコント(こっちでいうsketch)なのでこんなのを喜んでいるのは両親には内緒です。
お笑いを文章で書いても詮無いのですが、お気に入りキャラを申しますと、
『ルーとアンディ』
障害者のフリをしているアンディの我儘にひたすら付き合ってあげる心優しいヘルパー、ルー。
例えば図書館で本が借りたいというアンディが、タイトルも見ずにすごくつまんなさそうな本を2冊(それも同じの)を選ぶのでルーが「ほんとにこれでいいんだね?これ読みたいんだね?」と散々念押しして「そうだっつってんだろ!」と言うくせに、図書館を出た途端「僕、字読めないから要らねえし」と言う。ルーは怒りをこらえて返却しに引き返す、といったパターンと、実は全く健常者で何でもできるアンディにルーが気づかない(歴代コントベスト50でモンティ・パイソンの『死んだオウム』を抜いて一位に輝いた『プール』のコントのように。You TubeでLittle Britain Lou and Andy at the Poolで探せます)パターンがあります。

『エミリー・ハワード&フローレンス(口ひげあり)』、
自分たちがヴィクトリアン調のレディだと言い張る女装のおじさんたち。男とわかりそうなこと(例:レントゲンを撮る)はレディだから出来ないと言い張る。普段はレディらしいこと(すみれを押し花にする、バレエを観る、刺繍をする)などをしていると主張。

『セヴァスチャン・ラヴ』
首相に恋するおネエ秘書。いつもネクタイは薄紫。首相夫人はもちろん、首相と親密に話そうとする閣僚や外国要人に常に嫉妬し、席を外せと言われるとひどいわ!と逆上し「ビッチ!(閣僚や要人に)」と捨て台詞を吐く。冒頭のダウニング街の玄関に立つ巡査(道を聞かれても答えられなかったり交替が来ないのでよれよれになっていたりする)のクスグリも面白い。
Little Britain in USAでは首相に出世し、オバマ氏を連想させるタイプの米大統領に恋している。

『ダフィド・トーマス』
ウェールズの田舎の村で唯一のゲイと主張する青年。
でも実は周囲はゲイだらけな現実をかたくなに拒むひきこもりニート。親が就職しろとかフラットを捜せ(UKでは20歳以上で親の家に住んでいるのは稀)と言っても「だって僕はゲイだから無理!」と言い張る(実際はそれで差別したら騒がれるのでそんなことはない)。レザーのホットパンツ、メッシュのタンクトップなど常にバリバリのハードゲイファッション。

『アンとドクター・ローレンス』
エェー、エェー、と奇声を上げながらそこらを破壊して廻る心の病の患者アンと医者のコント。
花壇の花を引き抜く、ドクターがお客と話している間のテーブルを引っ張っていく、お客の頭にコーヒーを注ぐ、金魚を食うなどの奇行をしながらも、アンは携帯がかかると素のおっさんになってビジネス会話を始めます。

『Mr.マン』
何かを買いに来たお客と店主のコント。店主は何を聞かれても奥にいる妻(姿は見せない)に「マーガレット!マーガレット!」と呼ばわって確認する伝言コント。お客の目的は決して果たされない。

この辺りはユニバーサルに判りやすいですが、一部のキャラやコントは、Britainのそこはかとなく不便で不合理な環境の中、変だけど自分にとっては普通の生活を送っている人々を知ってこその面白さという気もします。
例えばその体型からして全く説得力の無いDiet講師マージョリー・ドウズ
彼女がらみのコントは「コミュニティセンター、それはあらゆる人々がそれぞれの目的で集う場所…」といったイントロで、ヴァイキングがぞろぞろ出てきたりするんですが、これは実際にコミュニティ・センター(日本でいう公民館。そこを借りていろいろな習い事の教室、チャリティ・バザーなどが行われるのでどんな人が中にいるか予想がつかない)を知っていて、かつそこでよく痩身指導が行われる(講師が巡回して講座をやり、食生活指導などをする)ことが判ってないと何が面白いのかピンと来ないのではないかと。
また、インドかパキスタン系のおばさん生徒の英語を、マージョリーが全く判らないというリアクションをする(おばさんは全く明晰に喋っていて他の生徒は皆わかっている)日本の国営放送ではありえない(もちろんこちらでも批判はされていますが)人種差別がかったお約束のくだりも、自信にみちてものすごく訛った英語をまくしたてるその手の方々に接しないとわかりづらいんじゃないかと思うんです。


このギャルキャラのヴィッキー・ポラードも、「っていうかぁ~」(No but, Yeah But)を物凄い早口で繰り返して、自分のやった悪行に対する相手の質問に関係ないことを喋り倒して白を切り続けるダメダメな女子なのですが、(勉強もしない、万引きもする、飲酒喫煙はもちろんのこと矯正施設でも乱闘する)それでもシングルマザーになれば家ももらえて養育手当(政府の)で最低限、住んで食べることは出来るのでとりあえず子供は生んじゃうという福祉寄生型生物が実際にかなりいるという現実を踏まえた黒い笑いなのです。
うっかりこのキャラと同じピンクのフリースを部屋着に買ってしまい(寒いので)下には黒のパンツを履いて暮らしているので、同じスピードでNo but, Yeah Butと言えるか試してみましたが、舌を噛みました。
UKの片隅に四年居てコントのツボがわかったといっても自慢はできませんが、モンティ・パイソンもフォルティ・タワーズも前より面白さに踏み込めたと思います。でもそんなことは地元民には語りません。私だってよその国の人に『夢逢え』や『笑う犬』(深夜帯)『すべらない話』などを語りこまれてもなんとなく居心地悪いと思いますもの。
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by Madorena | 2009-02-17 04:48 | Madorenica
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