イギリスのクリスマスの伝統お料理、ミンスパイを食べてみました。
ミルクや色々切らしたので仕方なくしとしと雨の中スーパーに出かけたら このパイが4つで£0.99(200円弱)で売っていたのです。 2パック買えば£1.5でしたが、外したとき8つはきついなという用心が経済観念に勝ちまして、1パックだけ購入。 小腹がすいていたので帰宅するとすぐ、写真を撮る前に1つ食べてしまいました。 粒砂糖を振ったさくさくのパイの中に、大さじ一杯程度の、リンゴやオレンジピールやレーズンをマーマレード状に煮詰めたとおぼしいフィリングが入っていて、思った以上においしかったです。 フィリングがこの位少な目じゃないと、甘すぎてきついんでしょうね。 12月には毎日1個食べると幸せになれるそうですが、『Cheeky's Garden 英国党宣言』さんで拝見したレシピを見ると、牛脂も砂糖もたっぷり(カラントやレーズンやプルーンのドライフルーツもそれなりにカロリー高い)、パイクラストもバターがたっぷりですから、毎日食べてたら幸せなおでぶちゃんになるような気も… (それに、『左右党』でも、甘いものとしょっぱいもの、交互に食べたい波が来るので、パイは全然食べたくない日もあります) ともあれ、英米の小説や映画に出てきた食べ物を制覇する道のりをまた一歩進めたぞ! ミンスパイ(ミンスミート)のことを初めて読んだのは、 L.I. ワイルダーの『農場の少年』だったような気がします。 本を実家に置いて来ちゃったので思い違いしているかもしれませんが、晩秋にお父さんが屠殺した豚や牛をお母さんが塩に漬けたり、燻したり、煮たりして保存する作業の中に「ミンスミート作り」があったので、お肉が入っているものと思っていました。ミンスミートは本来はフルーツとスパイスを混ぜ、脂に漬けるお肉の保存方法のひとつだったそうですから、その頃のアメリカでは(ワイルダー家はWASPです)クラシックなミンスミートだったのかもしれませんね。 その他にミンスパイが出て来た小説というと、 ブリジット・ジョーンズの日記(H.フィールディング) 1年目のクリスマス、終わりの方に「ミンスパイの匂いがしてきて」という記述がありました。 クリスマス・プディングの冒険(A.クリスティ) クリスティが冒頭に書いた思い出のディナーメニューにも、小説の中のディナーにも出てきたと思います。文字通り「おいしい」短編。 レシピに万歳(A.クレイグ)これはミンスミート会社のレシピの秘密にまつわる殺人事件ですが、松竹新喜劇クラスのほのぼのしたコージィミステリです。このレシピだと、お肉は無いので現代のミンスミートですね。 (『クリスマス・プディングの冒険』のメニューを聞いたヒロインが) 「お菓子が多いですね」「英国人はお菓子好きですよ」 『ドジリーヌ姫の優雅な冒険』 「しちめんどくさい七面鳥」小林信彦 すごく面白いお料理と冒険のお遊び小説なのですが、絶版です。
by Madorena
| 2005-11-09 19:41
| Supermarketに行こう
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