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檀一雄のボルシチ

檀流クッキング』は『料理歳時記』と共に一人立ちして台所を持つ拠り所として持ってきました。(私が持っているのはどちらも通常版の中公文庫です)
『檀流クッキング』には、死ぬ日まで生きて食べずにいられない、
人間の営みのかなしさと喜びがこもっています。
食のエッセイ、『美味放浪記』にもあるボルシチの話はことに印象深かったので、一度挑戦してみることにしました。
満州でロシア人家庭に下宿していた檀氏の寝床はペチカの上でした。
近くで煮込まれるボルシチを盗み飲みしながら体得したという本場の作り方を披露されています。本場といっても味噌汁同様各家庭ごとの味があるようですが、とにかくロシア人のやり方なのは確か。
その頃檀氏はKoreanの少女を愛し、戦争を避けて国境の向こうで蜜蜂を飼って暮そうと願っていたけれど、彼女を伴うことは不可能で、やがて戦火に逐われて離れ離れになってしまったという切ないお話にも思いを馳せつつ、現在シャトルシェフで牛肉とくず野菜、クローヴを刺した玉ねぎが煮えています。
これが崩れるほど柔かく煮えたら(ちなみに肉はすね肉か、イチボ辺りとありましたがすね肉が見つからなかったので塊が安売りだったTopsideを買ってきました)肉を取り出して冷まし、スープを濾して、スープにローリエ、セージ、パセリの茎等のブーケガルニを入れて、ビートルートの酢漬け(ビーツの酢漬け)、お米一握り、大ぶりのじゃがいも、にんじん、トマト、玉ねぎ、をいれ、肉を戻して仕上げ、サワークリームをかけて供するそうです。ウクローブ(ディルに近いそうなのでディルで代用)を忘れたので明日買ってこよう。

料理は人を慰安する/壇一雄 百味真髄 毎日台所に立つと実感しきりです。
by Madorena | 2006-02-21 01:21 | 魔法のKitchen
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